人工内耳
当院では補聴器を使っても聞こえにくい難聴の方に対して、『人工内耳植込術』という手術を行っております。
人工内耳を希望される方へ必要な検査を実施し、医師が人工内耳適応と判断した後、手術日程を決定します。
このページでは、手術前に行う、聞こえを確認するための検査から手術後も継続的に行う、リハビリテーションについて簡単に紹介いたします。
はじめに
人工内耳とは、補聴器での音やことばが聞き取れない高度難聴者の為に開発された医療機器です。生まれつき耳の聞こえないお子さんや、何らかの原因で急に聴力を失った方の聞こえを補い、周りの人との会話やコミュニケーションを手助けします。
当院では平成7年(1995年)に人工内耳認可施設となり、平成8年(1996年)には全国の民間病院初の人工内耳植え込み術を実施いたしました。
人工内耳の手術後は、人工内耳で音を聞き取れるようにするため、言語聴覚士(ST)が継続的にリハビリテーションを行っていきます。
人工内耳とは?
当院では手術の際に「日本コクレア」と「MED-EL Japan(メドエルジャパン)」の 2社から使用機器を選択して頂いております。
機器の紹介
聞こえを確認するための検査
純音聴力検査
低い音から高い音までの音がどれくらい聞こえているかを調べる検査です。
ヘッドホンを耳に当てて調べる検査と、耳の後ろの骨に受話器を当てて調べる検査があります。
条件詮索反応聴力検査(COR)
お子さんに行う聞こえの検査です。
音を出した時にその音を探す仕草や、音がする方向を見た時の反応で聞こえるかどうかを判断します。
スピーカーの前に座った状態で行います。
耳音響放射(DPOAE)
蝸牛の働きをみる検査です。片耳ずつ耳栓をして、音を聞くことで調べられます。
聴性脳幹反応(ABR)
音に反応する脳波を測定し、蝸牛から脳までの聴神経の伝達経路のどこに異常があるかや聞こえの程度を調べる検査です。
ベッドに寝た状態でヘッドホンから音を聞くことで調べられます。
聴性定常反応(ASSR)
音に反応する脳波を測定し、おおよその聞こえの状態を調べる検査です。
ベッドに寝た状態でイヤホンやヘッドホンから音を聞くことで調べられます。
※ABRとASSRの検査はお子さんの場合、必要に応じてお薬を飲んで眠った状態で測定することもあります。
お子さんの耳の検査
当院は新生児聴覚スクリーニング検査後の精密聴力検査機関<日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会>となっております。
新生児聴覚スクリーニング検査でrefer(要再検査)となったお子さんの精密聴力検査を行うことができます。
また、耳の聞こえが気になる場合はお気軽にご相談下さい。
リハビリテーション
人工内耳の手術が決まったら、人工内耳機器の詳細説明を言語聴覚士が行います。その他、必要に応じてことばのききとり検査や、お子さんを対象に発達検査も行います。
手術された方に対して、ことばの聞き取りや口の読み取り(読話)の練習を行っております。
また、お子さんを対象に、きこえやことばに関する療育も行っております。
リハビリテーションに関して気になることや不安なことがありましたらお気軽にご相談下さい。